月別アーカイブ: 2017年12月

ハンドフルート

最近めっきり更新してなかったので,昨日今日と色々書いてみようと思う.

ハンドフルートという手だけを使ってリコーダのような音を奏でる方法がある.詳しくはこのページなどを見てもらえれば分かる通り,両手をお祈りのように組んで息を吹き込むだけで音がなる.

原理としては非常に簡単だが,実際に音がなるまでは恐ろしいほど大変だ.私はある日,手だけで音がなる笛があるんじゃないかと思い調べた際にハンドフルートを知り,その手軽さと面白さに惹かれて始めたのだが,すでに半年近く続けているにも関わらず,未だ上手に吹けている気がしない.試しに千と千尋の神隠しで有名な曲(曲名を忘れてしまったが)を吹いてみて録音したものをアップロードする.

微妙に音がずれてしまっているところなどが多々存在している.いつかこういった部分も含めてうまく引けるようになりたい.

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ビッグファイブ

心理学にビッグファイブと呼ばれる性格診断があるらしい.世の中で有名な性格診断といえばMBTIだとかエニアグラムなどがあるだろうけれど,これらには科学的根拠があまりないことが知られている.

対して,ビッグファイブは統計的な,もしくは脳科学や行動遺伝学的な観点からある程度の信頼が置けるものであることがわかっている.多くの場合,性格診断といえば怪しげな占いのような印象を抱く人が多いのではないかと思うが,ビッグファイブはそういった今までの性格診断とは一線を画している.詳しい話は,良書があるためそちらに譲るとして,ここでは簡単にビッグファイブがどのように性格を分析するのかを述べてみようと思う.

ビッグファイブの概要

ビッグファイブは特性論の一つであり,人の性格は幾つかの要素の足し合わせで表せると考える.数学に強い人は線形代数のようなものを思い浮かべてもらえればいい.性格を表す正規直交基底が存在し,それらのスカラー倍(強い,弱い)の総和で人の性格が表現できると考える.これだけだとMBTIに非常に近いと思われるかもしれないが,MBTIとは違いビッグファイブではその名の通り5つの要素が登場する.これらの要素の強弱で表現されるため,MBTIのようなタイプ別(例えば,ENTPのように4つのアルファベットの組で人の性格が表現されるような)というよりも,5次元空間上の点という見方をする.

多くの日本人が信じている性格診断に血液型診断があるが,それに対するよくある反論は人の性格が高々4つ程度で表せるわけがないというものである.確かに,今まで出会った人々の性格をたった4つのグループに分けろと言われれば,ある一側面で分けることは出来ても,それでその人の性格を表せているとは言えないだろう.同様にMBTIでは人の性格が(中間を許す場合を除いて)16タイプしか存在しないことになる.これをベクトル量子化とみなせば,点数を増やすことで精度は向上しているかもしれないが,人間の性格が離散値ではなく連続値であることを考えれば,不充分であることは明らかだ.実際,今まで関わってきた人々の性格が離散的な代表ベクトルで表現できると考えるのは難しいように思われる.それに対してビッグファイブのような連続値的な考えは非常に納得が行く.

さて,ビッグファイブをなす構成要素とは,勤勉性,調和性,外向性,神経質傾向,開放性である.英語がもとであるためか,これらの用語には決まった日本語訳が存在しないため,文献により表現が変わっているかもしれないが,基本的には同じことを言っている.以降ではこれらについて説明する.

勤勉性

私は宿題が非常に嫌いで,特に夏休みの宿題は大っ嫌いだった.最終的にはやらなければならないことはわかっていても,夏休みに余裕がある内は決して宿題を取り出すことはせず,本当にギリギリになったところで焦って終わらせることが恒例行事となっていた.読者の中には,真面目で早めにきっちり終わらせる人もいるかもしれないが,私のようなタイプも相当数いると思う.さて,このようなギリギリまでサボってしまう人々の共通点とは一体なんだろうか.ビッグファイブにおける勤勉性の低い人とは,まさにこのようなサボりグセがある人のことを指す.宿題の例から言えば,勤勉性とはすなわち計画的に物事を遂行できる能力と言い換えることもできる.勤勉性が高い人ほど,自分を律して今やらなければならないことを行うことができる.したがって,世の中で真面目と呼ばれるような人たちは,勤勉性が高いと考えられるわけだ.

また,勤勉性は単にその人の真面目さを表す指標だけではなく,依存症のなりやすさを表すものでもある.ギャンブルやアルコールなどの依存症の原因は,それらをやりたい使いたいというよりも,それらをやめることが出来ないことにある.例えば麻薬を常習的に使用する人々は,比較的早い段階で免疫がつき,薬の効果が弱くなってくる.単に快楽が原因であれば,効果が次第に弱くなる麻薬をいつか手放す日がやってきてもいいはずだ.しかし,実際にはそうはならない.これらの常習者は,麻薬を断つことが出来ないのだ.

今までの話を総合すると,勤勉性はとにかく高いほうが良いと思われるだろう.しかし,ここで生物の進化という点に着目してみる.生物は生き残るのに有利な個体が増えることで繁栄してきた.したがって,もし勤勉性が高いほうが生きていく上で有利であれば,そうではない個体は不利となり減少していくことになる.しかし,実際は勤勉性の高い人も低い人も世の中には多くいる.このように均衡が保たれているのは,裏を返せば勤勉性の低い人も生物学的には必要であることにほかならない.では,勤勉性が高すぎると何がいけないのだろうか.

勤勉性はすでに述べたとおり,計画性に関わっている.その為,高すぎる勤勉性は,計画通りに物事が進まないと精神をやんでしまう,強迫性パーソナリティ障害という病気を引き起こす.これは自分の中のルールに囚われ,秩序や完璧主義が行き過ぎ日常生活に支障をきたす病気だ.例えば,会社である資料を作成しなければいけないとする.資料は出来る限り完成度が高いほうが望ましいが,期限に間に合わなければなんの意味もない.作らなければならない資料の期限がすでに差し迫っているのであれば,たとえ雑であろうと完成させて提出するのが普通の感覚だろう.しかし,強迫性パーソナリティ障害の人は締切よりも,資料が完璧であることのほうが優先順位が高い.そのため,たとえ締め切りを破って上司に怒られたとしても,資料を完璧に作り上げようとする.

強迫性パーソナリティ障害は非常に偏った場合だが,そこまででなくても高い勤勉性は柔軟性を損なわせる.臨機応変な対応が求められる場合ほど,勤勉性は低いほうが望ましい.したがって,どちらのほうがよいなどという議論は意味がなく,勤勉性が高くても低くても,一長一短であるといえる.これは勤勉性に限らず,これから述べるすべての因子でいえることでもある.

調和性

他人に対して共感できるかどうかを表す指標がこの調和性である.他人に共感する能力は面白いことに動物の中で人間しか持っていない能力であることが知られている.例えばチンパンジーで次のような面白い実験を行った例がある.まず隣接した2つのオリを用意する.それぞれに一匹ずつチンパンジーを入れ,お互いの様子が視覚的にわかるようにしておく.片方のオリの中には2つのレバーを用意しておき,1つめのレバーを引くとレバーがあるオリにのみ餌を与え,2つ目のレバーを引くとどちらのオリにも餌が与えられる.もしこれが人間であれば,隣の檻の様子を考慮してどちらのオリにも餌が与えられるレバーを引くだろう.ただし,他人に完全に無関心であれば,どちらのレバーを引いても自分が得る利益は変わらないので,結果的に2つのレバーがランダムに引かれるはずである.

実際,これをチンパンジーで実験すると,レバーを無作為に半々の割合で引くことが知られている.すなわち比較的人間に近いチンパンジーですら,他の個体を意識してレバーを引くことはないということである.その為,この調和性という他人への共感能力は人間だけの特異なものであると信じられている.調和性が高い人は,他人への思いやりが強く,進んでお世話をする.対して,これが低い人は他人に無関心で,自己中心的な行動が多くなる.低すぎる調和性は,サイコパスや自閉的な行動を誘発しやすくなるため,人間関係でトラブルが起きやすいと考えられる.

外向性

外向的な人といえばアウトドア派で,パーティなどを進んで主催し,他人との交流が好きな人というイメージが有るだろう.また,反対に内向的な人といえばインドア派で内気,パーティに参加するくらいなら一人で読書することを好むような人といったイメージだろうか.このような世間一般に想像されるものと,ビッグファイブにおける外向性は近いものはあるものの,実際には少し違った意味を持つ.ここでの外向性を適切に説明するためには,それが脳のどのような機能によるものなのかを説明する必要がある.そこで次のような実験を紹介しよう.まず被験者はMRIに乗せられ,実験中の脳の活動状態を観測される.MRIの中で被験者は複数の画像を見せられる.それは例えば子供が楽しげに遊んでいるようなポジティブなものだったり,反対に特になんでもない街の風景だったりといった様々なものだ.これらの画像を見たときの被験者の脳の活動を見ると,子供の写真のようなポジティブな写真を見た際には,報酬系と呼ばれる快楽を司る部分の働きが強くなることがわかった.特に,外向性のスコアと,報酬系の働きには正の相関が見られたそうだ.これは何を指しているかというと,外向性とはポジティブなことがあった際に,どれくらいそれを嬉しいと感じるかを図る指標となるということである.では外向性が低い人はネガティブな画像を見たときに,気持ちが落ち込みやすいのかというとそうではない.外向性が低いことは単に,報酬系の働きが弱いことを表しているに過ぎない.ネガティブ要因に対する反応性の高さは,外向性ではなく神経質傾向の高さによる.

ビッグファイブにおける外向性は,何か行動を積極的に起こそうとするかどうかを表す指標になっている.例えばパーティで様々な人と交流することや,旅行に行ったりすること,また異性と一夜をともに過ごすことなどのいろいろなことが,外向性が高い人にとってはとても魅力的なことに感じられる.対して,外向性が低い人からすれば,それらのことはそれほど魅力的には映らない.その為,あえて危険を犯すような行為,例えばエベレストを登ることや,起業することなどを外向性が低い人々は行わない.ここで重要なことは,外向性が低い人(内向的な人)は人前に出て発表するようなことを嫌がるタイプではないということである.彼らは,発表することが嫌いなのではなく,発表することで他人に注目をあびることがそれほど嬉しいことではないため,積極的に発表をしないだけである.発表を嫌がる人たちは,内向的な人ではなく,発表することで失敗することを恐れているシャイな人たちなのである.またそれはこのあと説明する神経質傾向の高い人であることを意味している.

神経質傾向

疲れたのでまたあとで更新

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